[Diary/2005/January]

女性の販売戦略 / 2005-01-15 (土)

持ち上げたいのか叩きたいのか

電車男の書籍版が売れてるらしい.
コンビニに行ったら,ヤングサンデーで原秀則がコミカライズしてるのが眼に入って,ちょっとびっくりした.
んで,オタク男に目を向けようってな話になってるらしいけど,
それと同時に,例の奈良の事件の関係もあって,マスコミとしては一生懸命オタクを叩きたいらしい.
上の人達がやりたいことは,どっちだ?
んで,世の中の大半の女性は,どう考えているのか?

エルメスの戦略

電車男はフィクションだ!なんて声高らかに叫ぶ人がいるらしいけど,
そんなことはどうだっていい.フィクションだろうが,ノンフィクションだろうが関係ない.
読んだ時にぼくが一番感じたのは,
「エルメスってすごく上手いなぁ」ってことである.

売り手市場ではなくなっている

どこだったか忘れたけど,
女性曰く,
「女の子はたくさん余ってるんだから,オタクの男性は現実の女の子に眼を向けて,アタックして欲しい」
ってなことらしい.
さらに,個人消費向け可処分所得の観点からも結婚したくない男性が増えているとのこと.

つまり,女性側の売り手市場ではなくなっている.
いいモノ,付加価値の高いモノを作りさえすれば,消費者に認められて売れる,という時代じゃないらしい.
個人消費が落ち込んでいる状態なんだから,積極的に広告戦略,販売戦略を練っていかないと,これから先生き残れないのだ.
世の中資本主義である.

こういうこと書くと,女性をモノとして扱ってる,ひどい侮辱だ!とかなんとかいわれるんだろうけど,これは別に女性→男性だけの話じゃなく,逆も同じなんで,そのつもりでお願いします.


で,既存のマーケットに対するアプローチとは別に,これまでターゲットにはなってなかった層の客の開拓も,非常に効果的である.
今の状態の潜在的な客層が,つまりオタクなんでないだろうか?

あたらしい技術を開発するためのコストはどんどん上がっているわけで
(おまけに税金やらなんやらで会社存続のため自体のコストが上がってるから,製品開発までお金が回らない)
目の肥えた既存の客を満足させる製品を創り出すのは,容易ではなくなってきている.
ところが,新規の顧客にとってはその製品カテゴリ自体がものすごく新しいわけで,開発と売り込みのためのコストは低くなるんでないか,と予想される.


「恋愛ってすばらしいよ」,「女の子はあまってる〜」というセリフは,
「この製品を買えば,あなたの生活は薔薇色です!おまけに価格破壊のおかげで,どんどん購入しやすくなっております」という広告キャッチコピーと考えられるわけで.

その場合,別に自分の会社の製品のみを売りこむだけじゃなく(つまりそういった相手本人にアプローチをかけているわけじゃなく),
客の意識を自分が扱っている製品カテゴリに向けられれば,それだけマーケットが大きくなるわけで,自分の会社の製品も売りやすくなる,と.
それを狙った広告なんである.
あれだ,三種の神器とかと一緒.「これを持ってなければ現代人じゃない!」ってね.

電車男の話に戻ると

そういう意味だと,エルメスは理想の顧客を得ることができたのではなく,顧客回りを重ねて,客を上手い具合いに洗脳し,
(自分の所の利益が大きく出るような製品に客の目を向かせた.つまり自分の都合のいい男に仕立てあげたわけである)
大口契約を取り付けることが出来たわけである.
これはもう本当におみごと,という他ない.

今ので充分,だけど?

さて,新しい製品を売るために必要なのは,客に「今の状態が悪い状態である」という事を認識させる(洗脳する)必要がある.
「今で不自由してないし」という客に対して,「我が社の製品を導入すれば…」というプランを描いて見せることが必要になる.

もちろん,新しい製品を導入した方が(基本的には)いい状態になるに決まっている.(生活のためのテクノロジはそうやって進歩してきた)
「アナログ回線で困ってない,今で充分」って言ってる人でも,一度強制的にADSL使わせたりすれば,もうアナログ回線には戻れない.

問題は,どうやって,それを宣伝するかってことで.
男性の可処分所得(お金だけじゃなく,時間,そして何より脳味噌のプロセッシングタイム)を恋愛に向けさせるにはどうしたらいいか.
そもそも,潜在的需要はあるんで,どうやって効率よく意識改革を行うか.
電車男はその第一手だったけど,これからの御手並拝見と行きたい所です.
もちろん男性側がどうやって売っていくのかもね.

んで,

非モテBlogというジャンルが,世の中にはあるらしい.
男女問わずモテない人達が,ダラダラとなぜ自分が持てないのかとか恋愛観などを書き綴るBlogのようだ.
だからこういう,それっぽい記事を書くと,「こういうこと書いておいて,自分はどうだんだよ?」って言われるかも知らん.

僕の場合アレだ,「無い袖は振れません」.
そもそも現在の可処分所得が少ないのだ(しつこいようだけどお金だけじゃなく,時間と脳味噌の容量.脳味噌の容量の確保が一番難しい).
可処分所得が増えたら,それはもちろん生活を豊かにした方がいい,と考えるようになるだろうけどね.

自分を製造販売側として考えた場合は,そもそも全く別ジャンルの製品を扱っているわけで,全然関係なくなるなぁ.
資金力不足で多角経営できないんだわ.

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