[Private/Bicycle/走行記録/ブルベ]

2015BRM404定峰200

全然乗ってないのにエントリーしていいの?

2014年夏から,体調不良のため,休日に自転車で出かけることができなくなっていた.
それはつまり自転車は毎日合計1時間程度の運動にとどまり,ロングライドをしていないということで,持病にもあまりよろしくないので乗れ,と医者から言われる状態になった.
ロングを走れば気力がなんとか持ち直すかもしれないと思い,今年も春の定峰200にエントリーすることとした.

リベンジなるか

1年前の失敗

1年前初めてのブルベとなった2014BRM406定峰200,超凡ミスをやらかしたのであった. 一つ目はクリティカルな忘れ物一つ.お借りできたのでこれはなんとかクリアした.

二つ目が,通過チェック東秩父村和紙の里のスルーによるレシートもらい忘れ. 10kmほど進んで松郷峠を下り始めた時に気づき,そこからちゃんとルート順に戻ってレシートもらって,松郷峠を2度登る羽目になってしまった. そこからPC3のクローズ時間に間に合うかどうか,20km余計に走ったおかげで走行距離がずれてしまい,適当な走行速度を算出するためには,キューシートをじっくり読んでの計算が必要になってしまい,焦っているのにそんなことができるわけもなく,心臓ばくばくのままPC3へ突っ走ることとなった.
20km余計に走ってなんとかギリギリ認定完走となったが,準備の大切さを心に刻むこととなった.

改善点

というわけで,(忘れ物は「気をつける」しかしようがないにしても),反省点から今回は以下のような対策を立てた.

  1. eTrex30に表示させるルートガイドは,PCスルーしてしまわないように,必ず通過チェックも含めてPCごとに区切る.
  2. そうするとeTrex30側で次のPCまでの距離を出すことができるので,(絶対的にわかる)現在時間とPCクローズ時間から,容易に必要な巡航速度が算出できる.(それまでの走行距離からゴールまでの距離は容易に得られるが,PCまでの距離はそうではない)
  3. 計測用サイコンのEdge510で,PC区間の区間平均速度を表示させておくことで,だいたいの速度目安がすぐにわかる.

これにより,走行中に頭を使わなくても簡単に巡行速度目安と現在の状態がわかるため,精神的にだいぶ楽になる……はずである.

装備

フレーム
いつものパナチタン(コブラシェイプ)ロード,パナソニックレーシングカラー.
ホイール
9000C24
ハンドル,ステム,シートポスト
Fizik Cyrano R1
サドル
Fizik Arione Versus X.もうこれじゃないとダメ…….
コンポーネント
クランク・チェーンリングはSugino OX901D.
それ以外は9000.
ギア
フロント42/26T,リア11-28T.
サイコン
ルート表示用(キューシート代わり): eTrex 30
計測用: Edge 510
キューシートに頼らざるを得なくなった時の二重距離補正用: cateyeの有線サイコン
バッグ類
身につけるバッグ: 肩から吊るせて腰で固定できるヒップバッグ.
サドルバッグ: シマノPRO サドルバッグ MAXI プラス.輪行袋とエンド金具を丸ごと収納できる.
サイコン等給電用トップチューブバッグ: ドイター エナジーバッグ7000
ヘッドライト
日が出てない状態での走行時間は(去年みたいに20km余計に走ることがなければ)非常に短いので,Gentos 閃 SG-325 *2をUNICO Bikeguyライトホルダー新型でハンドルに固定.
つまり店頭時間が短い軽量2灯.
テールライト
ファイバーフレアロング*2をシートステイ両側に.
ボトル
950ml*1, 750ml*1, ダウンチューブ下ツール缶*1

スタート前

始発で立川を出ても6時スタートには間に合わないので,7時スタート組である.
曇っているがこのあと降らないといいなぁと思いつつ,立川始発の南武線に乗り,溝ノ口,二子玉川を目指す.
始発なので当然最後尾に陣取り,輪行袋を手すりに結びつけ,倒れないようにする. ここら辺はだいぶ慣れてきた.

二子玉川で輪行を解いている時に,例のドピンクペーパーカラーのDe Rosa IDOLを同じく解いている人と一緒になる.
Twitterでいつもお見かけしているサメハルさんだとわかり,声をかけさせていただいた.
個性的な自転車はそれだけでその人の存在感を出してくれるのだなぁ,と実感.

そのサメハルさんのIDOL,カンパのアテナ組ということは,フロント50/34T,リアはロー最大29Tなわけで,去年34x28でこの定峰200の峠3連発に「これはどこの剛脚の人の乗り物ですか?」と泣きが入った自分からすれば,それだけでもう坂が得意な剛脚の人に見えてしまう.すげーなー.
(認定完走された模様.素晴らしい……)

ブリーフィングは去年と同じ感じ.
ブリーフィング後に「ブルベ初めての人〜」と集めて追加の注意事項をするあたり,AJたまがわのスタッフは素晴らしいと思う(他のところ知らないけど)

ブリーフィング ブリーフィング

スタート→PC1「まぁ順調に」

今年はちゃんと忘れ物もなく車検は問題なく終了.

雨が上がるかどうか分からなかったのでシマノゴアテックスレインジャケットは着たままでスタートした(結局最後まで脱がなかった).

25~28km/hぐらいのペースで多摩川沿いを順調に走り,立川を通過.去年もそうだったが,毎日通る日野橋交差点(日野橋の北詰で,甲州街道,奥多摩街道,立川通りの分岐点)で,ここで終わりになるような気分をもつが,まだ始まったばかりである.

羽村の堰の桜はちょうど満開.天気がもっとよければ…….

PC1 PC1

天気は多少回復傾向かと思ったが気温が上がらず,レインジャケットは着たままPC1ファミリーマート海田岩蔵街道店に到着.

モンスターエナジー(もちろんカロリーあり)とカロリー高め菓子パン選び,さっさと食べてそそくさを走り出す.

PC1

PC1→PC2「登れる!俺にも登れるよ!」

この区間では山王峠と山伏峠の二つの峠を越えなければならない. フロント26xリア28Tをもってすれば山王峠は余裕だが,去年34x28Tでなんども足をついた山伏峠,果たして26x28Tでいけるのか,かなり不安があった.

雨煙の中の例のクジラ

山王峠は問題なくパスして,例のクジラを越えて山伏峠に入る.
えっちらおっちら……「登れる,登れるよ! 登りが壊滅的に苦手な俺にも登れたよ! 低ギア比バンザイ!!」と心で喜び叫びながら,細い道をジリジリと登る.

ちょうど前を行く人も自分と同じぐらいのケイデンス……クランクを見たればおそらく自分と同じOX901D.
ちょっとだけケイデンス高いからおそらくインナー24Tか.
低ギア比仲間がいた!と再び心で喜びを叫ぶ.
(とはいえその人は直付けFDだったのでインナー→アウター変速がきつそう)

結局,山伏峠一度も足をつくこともなく,ペースも守り足がダメになることもなく,登りきれた.

山伏峠頂上

楽しい下り基調区間は一瞬で終わり,体があっという間に冷え切った.

「温かいもの,温かいもの」とつぶやきながら秩父の町に入って,PC2直前の信号で止まっていたところ,ブルベ参加者らしい人たちが信号脇のお肉屋さんで止まって何かを食べていた.
グルメマップは作成してこなかったものの「これは例の肉屋さんのコロッケか?」と閃き,止まって購入.
「ひつじや」さんのコロッケ52円.
「あ〜ホカホカがトロトロで美味しい!」
いや本当にただのじゃがいもコロッケのはずなのに中がトロトロで美味しかったのだ.
ただし油は強いので,ロングで胃がやられる人は食べないほうがいいかもしれない.

ひつじやさんの店構え あったかいコロッケが陳列されてる いやホントに中がトロトロ

そのままPC2,セブンイレブン秩父宮地店.

PC2で「早く出よう」と焦りすぎ,おにぎり二つとモンスターエナジーのみ咀嚼して15分ほどで飛び出したのが,この後最大の過ちだったことに,この時点では気づく由もなかった.

PC2 PC2の前の桜

PC2の前の桜は満開.やっぱり晴れてさえいればお花見ライドになったのに……とちょっと悔しい.

カップラーメンを食べてる参加者がいて「なるほど,寒い時にのPCでの補給はカップラーメンが最適か!」と納得したが,食べたあとだったので後の祭り.

PC2→通過チェック「腹が減ってしょうがない」

去年は全くお腹が減るということがなかったので,正直舐めきっていた.

PC2を出てすぐの定峰峠は,距離はそこそこあるものの斜度はそんなでもないので,低ギア比の威力を活かして比較的高ケイデンスを保ちながら,やはり足をつくことなくパス.
定峰峠の途中,スタッフ巡回らしいartsさんが乗った車に追い抜かれ,声をかけていただいた.

定峰峠を登った時点で全体グロス平均速度が18km/hを切っていたので,10時間切りは絶対無理だと悟り,ペースを落とすことにした.
ちょうど登りきったところで降ってきた雨もあり,下りで無理をすると飛びかねない.去年20km余計に走って認定感想だったので多分ペース落としてもいけるはずだ.

定峰峠 定峰峠の三叉路

問題はそこから先であった……下りで小雨という状況に気を使いながら,徐々に空腹が体を蝕んでいく.どんどん体が冷えていく状況だから空腹感は余計に大きくなっていく.

なお,定峰峠下りで,eTrexのマウンタのネジが片方脱落したようだ.
ねじ止め剤塗ってあったのに.
下りきったところで,もう片方のネジを強く締め,応急処置.

空腹を抱えながらなんとかたどり着いた通過チェック,東秩父村和紙の里,去年はスルーしてしまったが,今年はちゃんとルート切り分けていたおかげで(流石に切り分けていなくても気づいただろうが),無事に到着.

通過チェックの桜

しかし……「糖分を取れるものがアイスしか売ってない!」

冷え切った体にアイスは危険である.ここはどう考えても別のものだろうと探すも,全然適当なものがない.店内を何度もぐるぐるした挙句,やっと見つけた柚子の香りの金平糖!

金平糖は言うまでもなく砂糖の塊であるので「これ以外にあり得ん!」ということで購入.
金平糖の風情も香りを楽しむ余裕もなく,半分ぐらい一気に口に流し込んだ.
「あぁ……砂糖,砂糖ですよ,カロリーとはこういうものをいうんだなぁ」という訳のわからない心のつぶやきが思わず漏れる.

糖分切れだったこともあり,ここでは休憩が長めとなった.20分ぐらい止まっていたと思われ,結構なタイムロスになった.

通過チェック→PC3「おさまらない空腹」

通過チェックを出た後の松郷峠は短いので,ここも足をつかずにパス.やはり低ギア比効果は偉大である.

松郷峠

去年は,通過チェックに戻って20km余計に走るはめになり,焦って飛ばしていたため気づかなかったが,この区間が一番ダラダラとしたアップダウンと信号の繰り返しで長い距離であり,存外厳しいということを理解.

とにかく腹が減った……金平糖だけではおさまらない.
水は十分にある.だけど,腹が減った…….
巡航速度も上がらず,信号ごとにどんどん区間アベレージが下がっていく.

今までハンガーノックになった経験はない.
ないのだが,この感覚は結構やばいのではないか?と思い始めた.

普段なら腹が減っても走れることは走れる.
でも今日は残り70〜80kmも走らなければならないのである.
立川自宅から多摩川サイクリングロードで羽田往復すると80kmちょい.それだけを走らなければならない.

毛呂山町で限界を感じ,ストップ時間覚悟でセーブオン毛呂山葛貫店に入った.
レジそばにあった温かい大判焼きに目をつけて,外に出てかぶりつく.
生き返る感じ……あぁ生命の危機を脱するってこういうことなのね.

余談だが,その日歌ったり吹いたりしなければならないときには,マクドナルドの朝マックを食べることが多い.
(それ以外で自分がマクドナルドに入ることはまずない)
マックグリドルは脂質も糖質も結構含んでいるため,すぐエネルギーになる,かつ腹持ちがいい,おまけに100円という値段設定で「カロリー/円」値が非常に高い.

時刻は昼過ぎというか夕方に差し掛かる時刻,当然ながら朝マックはやっていないので,ここは手っ取り早く糖質になる大判焼きを選んだのだった.

このセーブオンでのカロリー補給とちょっと長めの休憩15分ぐらいが功を奏したのか,その後はダラダラと続くアップダウンと信号もなんとか越えていくことができた.

PC3直前の,道路側の標高が上がって八高線が掘割になるところ,いつもここを通ると思うのだが,なんで八高線側を削ったのなら道路も平坦にしなかったのか?

道路側の標高が上がって八高線が掘割になると所の近くの桜

とにかくこのアップダウン連続は地味に見えてこの定峰200の中で一番辛い区間なのではないかと思う.

PC3では,さっきの大判焼き一つでは絶対にカロリー不足だと思い,モンスターエナジーの他にカロリー高めのパンを三つ補給.
そのため一番長い休憩となった.20分ぐらいか.

PC3

PC3→ゴール「もう帰ってもいいですか?」

行きにも羽村の水門の桜の花見がちょうど見頃なのは確認したが,この時間でも夜桜に向けてライトアップされて,たくさんの屋台が映える.

ライトアップされつつある羽村の堰近くの桜

そういう光景を見て「あぁ今日は桜がたくさん見られる日だったんだよなぁ.『秩父でうららかな春の日差しの中お花見ライド』のはずだったのに,なんでこんな雨に降られて寒い思いしてるんだろう……?」となるのはしょうがない.

後はもう,慣れた道である.

というか慣れすぎた道であるため,奥多摩街道から毎日通っている日野橋交差点を通過した時に「なんでここで家に帰らずにフタタマまでいかねばならんのだ?」という感覚に襲われるのは,こちらも,しょうがない.

とにかくこの区間は,多摩に住んでいる人間にとっては,心が折れやすい場所なのだなぁ,と痛感.

是政橋で府中街道南下のために右折する車で渋滞となり,ここでおそらく20分ぐらいロスとなった.
「真っ暗にならないうちににゴール」はやっぱりあえりえなかった.

結果,12時間7分でゴール.
ゴール後に温かいコーヒーを頂いて,それがとても美味しく感じたわけで.

ゴール

1年ぶり2度目の200ブルベで認定完走2度目であるため,次はやはり300を目指さなければならないのだろうか……?
しかし今のところ,150kmをすぎて「まだまだ半分頑張るぞ!」と思えるだけの心の強さが自分にあるだろうか?と考えたら,ないような気もする.

反省点

「水が足りない恐怖症」の克服

水に関しては,950ml+750mlで途中補給無しで200kmを走ることができた.
以前鳥海山ヒルクライムをした時に水が足りなくなって雪解け水を飲むはめになった経験から,ボトルが空いたらすぐに入れてしまう「水が足りない」恐怖症だったが,それは克服できた模様.

とはいえ,これだけ寒い春だったためにそれだけの水で済んだのであって,温かい時期にはもう1L欲しくなるのだと思う.
950mlボトルにそのまま入るような,1Lペットボトル水を売って欲しいところではある.

「カロリー/咀嚼時間」値という概念の導入の必要性

「カロリー/円」はよく使われるバロメータだが,ここで感じたのは「カロリー/咀嚼時間」も実は重要なファクターなんじゃないか,ということだ.

休憩時間は短くしたいが,カロリー補給のために食べるのに時間をとられてしまい,結果休憩時間が長くなってしまう.
走りながら食べられる人ならいけるんだろうが,あいにく自分はそのスキルを持っていない(というより「補給食の味が苦手で食べられない」)ので,必然的にPCでの休憩の際に食べることになる.

これから先は,これも考えていかなければならないなぁ,とこのブルベでは一番痛感したことである.

ブレーキによる手の疲れ

シマノのキャリパーブレーキは,カンパニョーロに比べて開く方向のバネ力が強い.
そのためだろうか,去年は感じることのなかった手の疲れを走り終わった時に感じた.

次期長距離爆撃用フレームはすでに届いており,ディスクブレーキ仕様なのだが,機械式ディスクブレーキBB7で組むつもりだったが,引きが軽い油圧ブレーキの方に心が動いている.