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情処学会のTeXテンプレートを研究会用に使う場合の問題の解決 / 2009-04-23 (木)

イントロダクション

2009年度からの完全オンライン出版化に伴い,今までは大枠しか決められていなかった研究会用原稿もテンプレートに従う必要がでてきた.
2009年4月現在のTeXテンプレートで研究会用原稿を作成使用とした時,公式に言及されていないいくつかの問題が生じる.
一つ目はページ数などの指定の問題.二つ目は著者プロフィールや受け付け採録日時, 三つ目はdvipdfmxを用いてpdfを作成する時に時に横長のものを生成する方法についてである.

前提として,研究会用フォーマット(研究報告)

\documentclass[techrep]{ipsj}

になっているものとする.

ページ数指定の問題

ページ数は1から始めること,と研究会担当が明言.
従って,テンプレートでは,

\setcounter{volpageoffset}{1234}

となっているところをコメントアウトすればおk.

著者プロフィールや受付採録日時

研究会用原稿では,受付採録日時と著者プロフィールはつけない.
しかし,テンプレートの

\受付{20}{9}{17}
\採録{20}{11}{28}

この部分をコメントアウトするだけでは受付採録日時は消えない.
この問題を解決するためには,テンプレートでbibliographyの後に入っている著者プロフィールの環境そのものを消す必要がある.

\begin{biography}
\member{****}
...
...
...
\end{biography}

これを環境ごと消すと,著者プロフィールも受付採録日時も出なくなる.

dvipdfmxで横長

情報処理学会論文誌等を執筆時にdvipdfmxでlandscapeしなくて困った人が読むエントリ - 4403 is written
に書いてある通り.
プリアンブルに

\AtBeginDvi{\special{landscape}}

と記述しておく.


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X11でスケスケEmacs / 2006-09-22 (金)

スケスケ

Macemacsjp-usersMLへの銭谷さんの投稿より.
半年前の話題らしいが,X用スケスケえろえろパッチが配布されているとの事.

内容はX.orgを用いてスケスケにするパッチ.
compositeは出てきた最初,古いマシンで試してみたのだが,重くて使っていなかった.
今の時代のマシンで,標準程度のスペックを持っているのなら,十分に使えるのではないか.
XglやAIGLXがもっと普及して改良されれば,さらにHWスペック的な敷居は下がるだろう.
ベンダからのドライバの提供という問題はあるが.(ATiを買収したAMDがどう動くのかも興味あり)

そもそも,CarbonEmacsとNTEmacsの最大の利点(?)は,スケスケえろえろであることだ.
やっと本家とも言うべきX上のEmacsが追いついてくることになる.

時間があったら,試してみよう.

残された課題は表示フォント

さて,GTKやQtなどでは既に完全実現されていて問題となっていないのだが,
アンチエイリアスをかけたスケーラブルフォントが,X上のEmacsでは使用不可能である.
実装の関係上当たり前なのだが.

CarbonEmacsやNTEmacsのように,GTKEmacsやQTEmacsが出てくるべきなのだが,完成度は高くない.
Stallmanが誰かに依頼したという話はあるが.
これで,フォントがキレイになれば,さらに嬉しいところだ.

ちなみに安藤は,スケスケとアンチエイリアスなスケーラブルフォントを実現させるため,mlterm上でEmacsを実行している.

追記: GTKでXftを使ってアンチエイリアスなフォントを実現すること

色々makeしていてわかったのだが,今でも外側だけはGTKが使用できていて,なおかつ,
CVS版はGTKでXftを使うようにコンパイル可能なブランチが出ているらしい.
今はまだ日本語も使えないようが,emacs-unicode-2というやつでは出来るらしい
はたして,公式でスケスケとアンチエイリアスフォントは両立する時がくるのだろうか?
って,来てくれなかったら困る.
いつまでも古いフォントシステムを使い続けなければならないのだから.
てか,ここまでXフォントシステムを引きずった理由はなんなのだろう? (Windowsもたいがいおかしいが)

22日追記:成功

というわけで,X上で動くスケスケえろえろのEmacsの画像である
20,21日とpatchに改良が加わり,この状態になった.
なお,SUSE Linux 10.1のデフォルトとなっている,OpenGLアクセラレーションデスクトップである,XGLにも対応.
ご苦労様でございます.(使って喜んでるだけの人間が言うなとは思うが)
環境は,VMWare上のScientific Linux 4.3に,xcompmgrを手動でコンパイルしたもの.

新しいパッチは,http://macemacsjp.sourceforge.jp/package/test/transparency2-20060921.patch

$ export CVS_RSH="ssh"
$ cvs -z3 -d:pserver:anonymous@cvs.savannah.gnu.org:/sources/emacs co emacs

で,CVS版Emacsを取得.

$ cd emacs
$ patch -p0 < ../transparency2-20060921.patch
$ ./configure --prefix="$HOME/Utils" --exec-prefix="$HOME/Utils"
$ make bootstrap
$ make install

で,パッチあてとビルド,インストール.
以下をxorg.confに記述.

Section "Extensions"
   Option "Composite" "Enable"
EndSection

xcompmgrか同種のユーティリティを使って,Compositeの機能を有効にして,パッチをあてたEmacsを起動する.
xcompmgrがパッケージにないディストリビューションの場合,以下の場所から持ってきてビルド.

$ wget http://freedesktop.org/xapps/release/xcompmgr-1.1.1.tar.gz
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Windowsで日本語TeXとLilypondを共存させる / 2006-05-14 (日)

イントロダクション

楽譜組版アプリのLilypondは基本的にTeXのフロントエンドであり,TeXを必要とする.
Windows用のLilypondはCygwinのパッケージとして存在する.
最近Windows用に,角藤版Win32用TeXを自動でダウンロードしてくれるインストーラが登場したが,この問題点は,Cygwin上で動くLilypondとの相性が悪いということである.
CygwinのパッケージでインストールされるTeXは欧文専用となっており,日本語環境では使えず,Lilipondだけでなく日本語TeXを常用する人間には辛い.(Lilypond専用環境を用意する必要がある)

それと,Lilypondは,個人で環境に合わせてコンパイルするには,あまりにも面倒くさいので,できるならばコンパイル,パッケージング済みのものを使いたい.
従ってCygwin版を利用するのが一番手っ取り早い.

奥村先生のTeX Wikiより,Windowsでのインストール
上記の文書に,Cygwinで日本語TeXが紹介されている.

Cygwin 本家の teTeX, Ghostscript は,そのままでは日本語を扱えず,自分でパッチを当ててコンパイルし直すなどの面倒な作業が必要でした.一方で Windows native な TeX 環境を入れた場合には Cygwin 本家の teTeX, lilypond や Ghostscript との相性が悪く,ノウハウが必要でした.

とのこと.
PATHの設定を切り替えるだけで,Cygwinの標準でインストールされる(Lilypondをインストールすると,依存解決で必然的にインストールされる)tetexとこのページで配布されているptetexを共存させることができる.

方法

インストール

Cygwinのインストーラの,ダウンロードサイトを決定する画面で下記URLからダウンするようにする.

http://www.misojiro.t.u-tokyo.ac.jp/~kuroky/build

すると,ptetexというパッケージがあるので,インストール.
ghostscript, ghostscript-base, ghostscript-x11もインストール.
ついでに,jsarticleやutf,otfパッケージも入れておく.(というか現在ではほぼ必須)

PATHの設定

ptetexを使用する場合,以下をパスに追加.

$ export PATH="/usr/local/teTeX/bin:$PATH"

余談

感想

正直,Windowsのフルインストーラよりもこっちのが簡単で使いやすい.
(僕自身は,ヒラギノフォントの関係でTeXのコンパイルとPDF化は全部OSXだが)

PDFでプレビュー

安藤は基本的に,PreviewはDVIではなくPDFの状態で見るようにしている.
(最終物がPDFなので,やはりそれで確認したい)

方法
#!/bin/sh
dvi=$*
pdf=`/usr/bin/basename "$dvi" ".dvi"`
/usr/local/teTeX/bin/dvipdfmx $dvi
cygstart AcroRd32.exe $pdf".pdf"

という内容のdotexpreviewという名前のコマンドを作って,/usr/local/teTeX/binに入れておく.

xyzzy+花鳥の場合

.xyzzyに

(setq elisp::tex-command "c:/cygwin/usr/local/teTeX/bin/platex"
      elisp::dvi2-command "bash.exe c:/cygwin/usr/local/teTeX/bin/dotexpreview"
      elisp::bibtex-command "c:/cygwin/usr/local/teTeX/bin/jbibtex")

と設定しておけば,プレビューの時にdvipdfmxが使用されて,AcrobatReader(AcroRd32.exe)でPDF化されたファイルが表示される.

NTEmacs+野鳥の場合

.emacsに

(setq shell-file-name "c:/cygwin/bin/bash.exe")
(setq tex-command "/usr/local/teTeX/bin/platex"
      dvi2-command "/usr/local/teTeX/bin/dotexpreview"
      bibtex-command "/usr/local/teTeX/bin/jbibtex")

と設定しておけば,XYZZYと同じように使える.

メモ

タッチパッド付き,ワイヤレス英語キーボード.かなり使い勝手が良さそう.無線LANとの干渉はどうなのか.
あまりにも悲しい話.(/.J)


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CgywinでMigemo / 2006-04-14 (金)

Cygwin + NTEmacsでMigemo

全部$HOME/Utils以下に置くのが目的.
再インストールでも問題が起きないし,環境を別のマシンに移すのも楽.
$HOMEはCygwinデフォルトではない.

このページを参照のこと
CygwinのRubyを使用.
APELはいらない.(最初から入ってる?)
Ruby/BsearchとRuby/Romakanは自分の環境に突っ込んでおく.(*.rbのみ)
環境変数RUBYLIBに自分のRubyライブラリのパスを追加する.(Cygwinの.bashrcへ.Emacsをcygwinから起動しない場合は,Winの環境変数にセットする必要があると思う)

export RUBYLIB="$RUBYLIB:$HOME/Utils/lib/ruby/site_ruby"
./configure --with-emacs=$HOME/Utils/bin/NTEmacs/22.0.50/bin/emacs.exe --with-lispdir=$HOME/Utils/site-lisp --prefix=$HOME/Utils --exec-prefix=$HOME/Utils --bindir=$HOME/Utils/bin --libdir=$HOME/Utils/lib --infodir=$HOME/Utils/info --mandir=$HOME/Utils/man ...

.emacsへの追加は以下の通り.

(setq migemo-directory "$HOME/Utils/share/migemo")
(load "migemo")

おまけ - lvのコンパイルについて

configureはするが,普通にmakeだけして,出来たバイナリをコピー.


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Xftで埋め込みビットマップを使う / 2005-08-17 (水)

Xftのフォント設定.アウトラインか埋め込みか

前に書いたのより,だいぶ変わったので,自分のためにメモ更新.
ポイントは,rh_prefer_bitmaps.
常にビットマップを優先するというスイッチ.
これを最初にfalseで全体にかけて,アウトライン+アンチエイリアスを標準にしておく.
その後,ターミナルで使用するもののみ埋め込みビットマップを使う.

以下,~/.fonts.confの内容.(この外側に<fontconfig>~</fontconfig>がある)
インデントうまくいかなかったらごめんなさい.

<!-- エイリアスを用いたデフォルトフォントの設定 -->
<!-- ちなみにGtk2を使ってる場合,個々のアプリで設定するので関係ない -->
<alias>
 <family>monospace</family>
 <prefer>
  <family>Sazanami Gothic</family>
 </prefer>
</alias>

<alias>
 <family>sans-serif</family>
 <prefer>
  <family>Sazanami Gothic</family>
 </prefer>
</alias>

<alias>
 <family>serif</family>
 <prefer>
  <family>Sazanami Mincho</family>
 </prefer>
</alias>


<!-- デフォルトでアウトラインを表示するようにする -->
<match target="font">
 <edit name="rh_prefer_bitmaps" mode="assign">
  <bool>false</bool>
 </edit>
</match>


<!-- 埋め込みビットマップを使いたいフォントを指定していく -->
<match target="font">
 <test name="family" compare="eq">
  <string>Sazanami Gothic</string>
  <string>Sazanami Mincho</string>
  <string>Mona</string>
  ...
 </test>
 <!-- 条件の指定 -->
 <!-- 
  pixelsizeにしてるのはmltermがピクセルサイズベースだから.
  Moziilaなどをベースで考えたいなら,sizeを使う.
  -->
 <test name="pixelsize" compare="more_eq" qual="any">
  <double>8</double>
 </test>
 <test name="pixelsize" compare="less_eq" qual="any">
  <double>24</double>
 </test>
 <edit name="embeddedbitmap" mode="assign">
  <bool>true<bool>
 </edit>
 <edit name="antialias" mode="assign">
  <bool>false</bool>
 </edit>
</match>

おまけ.XのコアフォントのFontPath設定.
ここでした設定はテンポラリなもの.

$ /usr/X11R6/bin/xset fp+ フォント置いた所
$ /usr/X11R6/bin/xset fp rehash
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1: daichi (12/24 19:58)
ggv使ってみたら拒否反応が出てしまった.
…細かいこと気にしたら負けだな.UIとかは比べものにならない程いいんだし,acroreadで生きよう.
Winだと7が出たことだし,ggvみたいに今時のツールキット使ってまた新しく作ってくれればいいのにね.