[Diary/2005/January]

日本のコンシューマのレベル / 2005-01-10 (月)

ユーザの求めるクオリティ

前から書いているように,日本のコンシューマ製品のレベルは,間違いなく世界トップである.と僕は確信している.

日本市場に合ったWindowsプラットフォームを(本田雅一,ITmedia)
日本のコンシューマの要求する製品についての話.
結構面白い.

携帯電話は,キャリアがマシン自体を販売してたからこそ,日本が世界のトップを走っているのは確か.
例えば,インターネット接続.
日本の携帯では当り前に実現されていることを,他の国の人間に話すと,非常に驚かれる.
付加価値による製品の差別化により,技術のみならず,サポートなどなど…トータルな製品としてのレベルはどんどん上がっている.

この間電気製品量販店(コンピュータ関係の店ではなく)にいた時に,となりでワイヤレスのルータを見ていたおじさんから,
「どれがいいんだろうな?」
と訊かれた.
僕も知っているわけではなかったから,一緒にパッケージを見ながら相談したんだけれど, ボタン一発でセキュリティ含めて全部設定できる,つまり設定の容易さをウリにしているものが,やっぱり売れ筋らしい.
僕等のようにある程度知識がある人間はそれを嫌うかもしれないけど,普通の人にとっては設定が簡単というのは,ものすごく重要なことだ. (結局そのおじさんは,設定を勉強したいのと追加するワイヤレスカードの値段の関係で他のを買っていったけど)

考えてみると,日本以外に開発本拠地を持つメーカで,本当にトータルでいいコンシューマ向け「パソコン」を作ろう,売ろうとしているメーカがどれだけあるのか?
Appleぐらいしか思い付かないのだ(Appleは実際に出来たものは御粗末だけどね).
「パソコンと言えばホワイトボックス」ではない状況は,日本以外ではそうそうない.
とにかく日本人は,全てがハイレベルな状況に慣れすぎているわけで.

基本性能と付加価値,筐体のデザイン,ユーザインタフェイスのデザイン,そしてコストパフォーマンス.
それぞれの要素が突出することなく,トータルでハイレベルなパッケージングを行っている.
単にOSと付属物だけをとってみても,どれだけ快適に日本語入力が出来るか,日本語でマニュアルが読めるか,という点に日本人はこだわる.
たったそれだけの要素で,コンシューマに要求されるレベルは他の所に比べて段違いに高くなる.
他の要素(最近省スペースや省電力,静音化が流行りだもんね)も考えたら,どれだけ要求が高くなることか.
マイクロソフトは所詮アメリカが開発拠点.
日本人のアメリカ製品に対するイメージって,結局「自分勝手」,「粗雑」って所に行き着くような気がする.

で,この記事で古川が言う,

「基本的にはDLNAで接続するとして、その先のタイトに連携する世界でも、自社製品以外の部分が混ざっても仕方がないとマイクロソフト自身が割り切らなければなりません。
 Linuxでも、ITRONでも、なんでも繋がっていくことがユーザーの利益にも繋がります。自社製品だけのタイトな統合だけにこだわらず、幅広く協力を行っていく判断をすることが重要だと認識しています」。

これをアメリカ企業である所のマイクロソフトができるかって言ったら,出来ないような気がするんだよね.
自分を世界にあわせようとするのではなく,世界を自分にあわせるために努力する(達成できなかったら世界ごとぶっ壊す)のがアメリカだもんなぁ.
「日本語入力が快適じゃない? 日本語なんか使おうとするのがダメなんだ」

それはAppleも同じだけど,Appleの場合,放っておいてもサードパーティがなんとかしてくれるしな.
で,上前だけはねる,と.

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